草津片岡鶴太郎美術館は片岡氏の44歳の誕生日にあたる 平成10年12月21日に草津ホテルの付帯施設として開館しました。 氏の作品を常時展示し、温泉にいらした方々にゆったりと鶴太郎芸術を楽しんでいただけるようにと構想されたものです。

ご存知のとおり片岡鶴太郎氏はエンターテナーとしてテレビを中心に活躍し、 俳優としても映画や演劇で豊かな才能を発揮されています。そのかたわらで独学で絵筆をとり、新たな自己表現の領域を開拓。
平成7年以来数多くの個展を開き、ぬくもりある独学の画風で人々の心を捉えてきました。
絵の題材は日々の暮らしのやロケの旅先で出会う魚、花、虫などで、いってみれば「普段着の絵」。
そこには生きている刻一刻への愛しさが溢れ、 「描きたい」と思う素直な心と向き合う片岡氏の真摯な姿勢が透けて見えるようです。
筆を持つ氏の息づかいや、紙と筆が触れ合う素材感までもが感じられる墨の濃淡。 顔彩や岩絵具の彩色。
色紙のコラージュの組み合わせ。 そして、絵画空間に独自の間を作り出す絵と書の絶妙なバランス。
片岡氏によって運命的に仕組まれた素材と技の意表をつくコンビネーションに 誰もが新鮮な驚きを覚えるに違いありません。
伝統的な書画一体の画法がこれほど意外性に満ちたスタイルに生まれ変わりえたのは流派にとらわれない氏の自由な発想があってこそでしょう。
見る人の心に彩りを映す軽やかさの奥にゆるぎない芸術性が宿っています。
草津温泉西の河原公園から流れ出る湯の川のほとり、自然と歴史の豊かなこの地で 片岡氏の創作の世界がよりいっそう広がってゆくことを願っております。